
ベランダのシジュウカラの巣
スタジオのベランダで、シジュウカラが子育てをしていました。植物の植え替えをしていて、気づかぬうちに始まっていた小さな命の物語です。
ベランダに現れたシジュウカラ、盛んな行き来に気づく
先日、スタジオのベランダで植物の植え替え作業をしていたときのことです。ふと気づくと、二羽のシジュウカラが盛んに飛んでくるようになりました。
電線に止まったかと思うと、ベランダの手すりへ。そしてお隣のベランダへ移動し、また戻ってくる。その行き来がずっと続くのです。よく見ると、口には虫を咥えたまま鳴いています。
「器用だな」とは思ったものの、まさか近くに巣があるとは、そのときはまったく想像していませんでした。
AIに聞いたら「ベランダに巣があるかも」と
あまりに頻繁に同じ場所を行き来するので、少し気になってAIに聞いてみました。すると返ってきたのは、「その行動は、近くに巣があり雛に給餌している可能性が高い」という答え。
言われてみれば、虫を咥えたまま鳴きながら特定のルートを往復するのは、まさに子育て中の親鳥に見られる典型的な行動だったのです。
ベランダの巣を発見!ストロベリーポットに雛7羽
一番隅の植木鉢が、シジュウカラの巣だった
そこで翌朝、改めてベランダを見渡してみると、一番隅に置いていたストロベリーポットに目が留まりました。恐る恐る覗いてみると——そこにはなんと、シジュウカラの雛が7羽もひしめき合っていたのです。
普段何気なく置いていた植木鉢が、いつの間にか小さな命を育む巣になっていたことに、驚きと感動でしばらく言葉が出ませんでした。
実は「最高級マンション?」だったストロベリーポット
よく観察してみると、このストロベリーポット、子育てにはうってつけの構造をしていることに気づきました。
一番上には大きな入り口があるのですが、そこには鉢がはまり込んでいて外れません。おかげでこの部分はしっかり塞がれた、安全な空間になっていたのです。
さらにサイドには苗を植えるための小さなポケットが5つ。そのうち2つが空いていて、親鳥はそこを餌やりの入り口として使い、もう1つを出口として使い分けていました。
外敵からは見えにくく、出入り口はきちんと確保されている——シジュウカラにとっては、まさに理想の住まいだったのだと思います。賢すぎて、ただただ感心してしまいました。
夢中でカメラを回した子育て観察の日々
それからというもの、毎日のようにベランダに出ては、親鳥が虫を運んでくる様子や、雛たちがポットの中でひしめき合って鳴く姿を動画に収めました。
口を大きく開けて餌をねだる雛たち、忙しく飛び回る親鳥。同じ時間の同じベランダで、こんなドラマが繰り広げられていたのかと思うと、日々の観察が待ち遠しくてたまりませんでした。
七夕の朝、静かな巣立ちを迎えて
気づけば静かになっていたベランダ
そして迎えた七夕の朝。住人がまだ眠っている間に、雛たちは巣立っていきました。あれほど賑やかだったベランダが、気づけばすっかり静かになっていたのです。
見送ることはできませんでしたが、無事に飛び立っていってくれたのだと思うと、寂しさよりも安堵と嬉しさのほうが大きかったです。
1週間後、公園で見かけた小さなシジュウカラたち
巣立ちから1週間ほど経った今朝、近所の公園に行くと、小さなシジュウカラたちが元気に飛び回っているのを見かけました。懐かしい鳴き声。飛行訓練中なのかもしれません。
「もしかしたら、うちで育った子たち?」——そんな勝手な想像をしながら、しばらくその姿を眺めていました。根拠はありませんが、そう思うだけで、なんだか嬉しい気持ちになれました。
また会えますように
何気ない植物の植え替え作業から始まった、思いがけないシジュウカラの子育て観察。小さなベランダの片隅で、確かに命が育まれていたことを知ることができて、貴重な体験になりました。
来年もまた、このベランダを選んでくれる鳥がいたら嬉しいなと思っています。